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Photo: WSL / POULLENOT

新型コロナウイルスの感染拡大により大きな影響を受けている世界中のアスリート。

プロサーファーも例外ではなく、特に厳しいのが金銭的サポートをしてくれるメインスポンサーの付いていないサーファーで、現実的にプロサーファーという活動を諦めざるを得ないものもいるはずです。

そこで数多くのCT(チャンピオンシップツアー)サーファーを抱えるブラジルでは、CTサーファーがスポンサーレスのサーファーを救済する企画を行いました。

今回の記事は、ブラジリアンCTサーファーがSNSで行った「Bico Branco(『白いノーズ』という意味でステッカーレスのボードを暗喩)」というウェブサーフィンコンテストのニュースをお届けします。


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今回の企画を思い付いたのは、2015年ワールドチャンピオンのアドリアーノ・デ・スーザ、ヤゴ・ドラ、ヤゴの父親であるレアンドロ・ドラの3名。

アドリアーノとヤゴはCTサーファー同士で、レアンドロはアドリアーノがワールドタイトルを獲得した年からコーチとして支えているので繋がりの深い3名です。

企画始動についてヤゴは以下のコメントを寄せています。

ブラジリアンのCTサーファー全員にコンタクトを取って、このアイディアについて説明したんだ。スポンサーのいる僕らであっても、給与が削減されたり、支払いが遅れたりすることもあるけど、それでも助けられるだけの余裕はある。

この企画に賛同して協賛したのは、上記3名に加え、フィリペ・トレド、ジャドソン・アンドレ、ミゲル・プポ、ピーターソン・クリサントで、このメンバーで賞金を負担したそうです。

ちなみに、イタロ・フェレイラとガブリエル・メディナの名前はありませんが、この企画に反対というわけではなく、他のSNS企画に携わっていて時間的余裕がなかったようです。

イベント開始に向けてインスタグラムでアカウントを開設すると、ブラジリアンのトップサーファー企画と言う事もあってか、あっという間に100以上ものオンラインコンテスト用動画が送られてくるほどの盛況ぶりだったとか。

そこで、QSサーファー20名、プロジュニアサーファー4名、国内ツアーサーファー8名に絞り、計32名のサーファーによる4名ヒートのフォーマットに変更。

各サーファーは1本のライディング映像を提出し、その映像を4名のCTサーファーと一般投票によって結果を決め、トーナメント方式で勝ち上がっていくという流れ。

賞金は優勝が5,000ドル、準優勝が3,000ドル、3位が1,500ドル、5位が1,000ドルという設定になっていて、現在はファイナルの結果待ちという状況です。

ヤゴによると、このイベントは日の目を浴びていない才能に手を差し伸べるだけの企画というわけではないそうです。

メインゴールとしては、第一にサポートを今現在受けていない素晴らしい才能を救おうっていうのが目的。

だけど、他にも狙いがあって、このコンテストを通じて悲しい現実にもスポットライトを当てようと考えたんだ。

その現実とは、あまりに多くの才能あふれるサーファーたちが業界からサポートを受けていないってこと。

言ってみればこの企画は、ブラジル国内のサーフカンパニーの横っ面を張るような狙いがあるんだ。

ブラジルは素晴らしいサーファーが多いことから、埋もれている才能も多いはず。CTサーファーになってもメインスポンサーの付かないサーファーもいたほど厳しい世界ですので。

そのため、この企画はブラジル国内のみならず、インターナショナルシーンに無名のブラジリアンサーファーを知らしめるチャンスとも言えます。

ちなみに、この素晴らしい企画は今回限りというわけではなく、すでに今後の計画も行っているそうです。

また、近々ガールズ版のオンラインコンテストを開催すると言うので、こちらも楽しみではないでしょうか。

ブラジリアンのサーファー層は極めて厚く、今回のSNSを見てもエアリバースならフルローテーションは当たり前とハイレベルなので、是非とも下記リンク先のインスタグラムからサーフィン動画をチェックして見て下さい。

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インスタグラム「Bico BrancoBico Branco

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参照記事「Yago, Filipe, and Adriano Rain Cash Over Their Unsponsored CountrymenYago, Filipe, and Adriano Rain Cash Over Their Unsponsored Countrymen