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Photo: Thiago Diz/World SurfPhoto:

2023年9月9日(アメリカ)、カリフォルニア州のローワーズ(ローワー・トレッスルズ)にて今年のワールドチャンピオンを決定する1日限りのイベント「WSLファイナル」が開催。

結果としてはメンズはランキングトップだったフィリペ・トレド、ウイメンズはランキング3位だったキャロリン・マークスがワールドタイトルを獲得することになりました。

今回の記事は、WSLファイナルのイベントレポートや動画などといったニュースをお届けします。


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イベントレポート

ウイメンズ

グロメット時代からひたすらコンテストを総なめにし、未来のワールドチャンピオン候補と言われ続けてきたキャロリン・マークス。

史上最年少記録となる15歳でワールドツアー入りし、今か今かと待ち望まれていた結果を本日実現した形となりました。

ウイメンズとしてアメリカ本土のサーファーとしては1997年のリサ・アンダーソン以来、グーフィーフッターとしては2005年のチェルシー・ジョージソン以来のワールドタイトル獲得とのこと。

個人的に印象的だったのは、ローワーズはライトとレフトの両方が割れていてレフトに乗っているサーファーもいましたが、本日のキャロリンはバックサイドとなるライトにしか乗ってないんですよね。

普通フロントサイドの方がバリエーション豊かな構成にできるものの、キャロリンの場合はバックサイドのジャッジ受けが良い事を分かっての事でしょう。

つまり、徹底的に勝ちにこだわり貫いた結果が本日に至ったと言えます。

WSLファイナルにはオリンピックではアメリカ代表にあたるサーファーがカリッサ、キャロリン、ケイトリンと3名いたので本日の結果でパリ五輪出場権が決定しました。

WSL公式サイトのランキングページにて、顔のアイコン脇にメダルマークのついたサーファーがパリ五輪出場権獲得者で、アメリカ代表はキャロリンとカリッサですね。

なのですが、2022年のISAイベントで五十嵐カノアが優勝して日本メンズの枠を1つ増やしたよう、同イベントではアメリカのキラ・ピンカートンが優勝したので米国ウイメンズが1枠増やし、ケイティも出場できると報じているメディアもあります。

ただ、アメリカ大陸に関してはパンアメリカンゲームで大陸枠を決めたり特殊なので、実際にはどうなるのか不明ですし、WSL自体がケイティの写真脇にメダルマークを付けていないのでWSLもルールに追い付けていない模様。

と言うのも、WSLがルールを決めているわけではなく、ルールを決めているのはISA(国際サーフィン連盟)であるためです。

オリンピックにおける新興スポーツなので、試行錯誤である点は仕方ないですね。

ワールドチャンピオンに輝くことになったキャロリンのコメントは以下となります。

ワールドチャンピオンのリストに自分の名前を連ねることになるなんて刺激的だわ。

目標の一つだったし、ワールドチャンピオンになるなんて本当にクレイジーね、

去年は歯車が上手く回らなくて、自分自身を信じられない時もあったのに今はとてもいい気分。

今は何て言えばいいか言葉が見つからないし、今年は感情の起伏が大きかったけどとても感動してるわ。

サーファーとして育っていく上でカリッサはずっと私にとってインスピレーションを与えてくれたから、カリッサには感謝してる。

カリッサも素晴らしい1年だったし、ファイナルでカリッサで対戦するのは私にとって夢のようなものだったし。

ボードに恵まれ、家族や友達のサポートがありがたかったし、これ以上言いだすとキリがないからここで止めておくけど。

とにかく、今日の私は勢いに乗っていて、海と特別な繋がりを持てたから最高な気分ね。

さて、最後になりますが昨年に引き続き、今年もワールドタイトルを逃す結果となったカリッサ。

従来通りの1発勝負になる前のやり方ならば、ステファニー・ギルモアの8度目はなく、今回でカリッサが7度目となり、ウイメンズの最多タイトル数としてレイン・ビーチリーとステフと並んでいたはず。

そんなことも一因だと思いますが、SNSではWSLファイナルの在り方についての賛否は今なお根強く議論されています。

ワールドツアーが色んなタイプの会場でイベントを行う事で総合力で年間トップを決めるコンセプトだと考えると、ローワーズでの一発勝負に意見が分かれるのは当然なのかもしれません。

結果

メンズ

メンズはフィリペが2年連続でワールドタイトル獲得となり、ランキングトップがタイトル獲得という納得の結果になりました。

フィリペが苦手とするのはビッグバレルで、レールゲームとエアゲームは得意中の得意と言う事でローワーズでは死角なしと言えるでしょう。

本人が不調やボードの調子が悪いなど、フィリペが自分のサーフィンをできない場合を除くとローワーズで負かすのは困難なレベルと言えるので。

フィリペのコメントは以下の通り。

ここまで至るための道のりを言葉で表すことはとても難しいね。

色々と犠牲にしてきて、それこそ正直言って数えきれないほど。

7年前に第一子が生まれたけど、家を離れてばかりで妻と一緒に過ごす時間も少なかった。

コア(息子)と一緒にいることもあまりできなかったし。

長い目で見れば報われるって頭では理解していて、ようやく実現したって感じだね。

ブラジリアンで2年連続でのワールドタイトル獲得はこれまでいなかったと思う。

僕らは歴史を刻むのが好きだし、神様には本当に感謝してる。

簡単な道のりではなかったけどね。

ブラジリアンのワールドチャンピオンという話が出たので、ふと気になったのが過去のワールドチャンピオン。

2014年にガブリエル・メディナがブラジリアンとして初のワールドタイトルを獲得して、今年2023年までに9シーズンありました(2020年はコロナでキャンセル)。

そして振り返ると、2016年と2017年にジョンジョン・フローレンスがタイトルを獲得した以外、全てブラジリアンが頂点に立つ結果となっていました。

結果

ハイライト動画

まとめ

今イベントをもち、正式に2023年シーズンのCTは終了となりました。

来年度スケジュールは今後発表となるので、発表され次第お届けします。

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公式サイト「WSL Finals