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Photo: Tony Heff/World Surf League

現地時間2023年2月8日(ハワイ)、ハワイのオアフ島パイプラインを会場としたCT(チャンピオンシップツアー)初戦「Billabong Pro Pipeline」が終了。

ウイメンズはカリッサ・ムーア、メンズはジャック・ロビンソンの優勝で2023年シーズンのCT初戦は幕を閉じました。

今回の記事は、ビラボンプロパイプのイベントレポート、動画、最新CTランキングといったイベント情報をお届けします。


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イベントレポート

イベント最終日の本日は、サイズダウンと共にバレルになる波の本数も減る厳しいコンディションで開催。

おそらく過去のパイプCTイベントの中でもワーストレベルでの開催となりました。

ウイメンズ

セミファイナルからスタートとなったウイメンズはトータル3ヒートのみの開催で、最も見応えがあったのはセミファイナルのヒート1。

レイキー・ピーターソンとタイラー・ライトの対戦で、どちらもバレルをメイク後にターンでフィニッシュのコンボで応酬する見応えある展開となり、タイラーを0.1ポイントで接戦を制する結果となりました。

ウイメンズでフロントサイドバレルを得意とするのはタイラーとカリッサ・ムーアのイメージが強かったですが、レイキーも台頭してきた印象を受けました。

カリッサとベティルー・サクラ・ジョンソンによるヒート2は、すでにバレル勝負のパイプイベントの様相から一変。

このヒートでメイクされたバレルはカリッサによる1本のみで、残りのスコアは全てターンのみというマニューバ勝負となってしまいました。

タイラーとカリッサによるファイナルは、2021年シーズンと同じ組み合わせ。

2021年シーズンはまだウイメンズのハワイCTイベントはマウイ島ホノルアベイ開催でしたが、イベント最終日スタート前にシャークアタックが発生し、最終日だけ急遽パイプ開催に変更。

当時のファイナルはタイラーが制したものの、バレル勝負に徹したカリッサがヒートには敗れたけど勝負には勝ったと言われる曰く付きの結果でした。

そんな二人のファイナルはと言うと、終了間際までタイラーがわずかにリードしていたのですが、カリッサが残り3分を切ったところで単発ターンのライディングをすることに。

シチュエーションとしては2年前にタイラーが見せた逆転劇と似たような流れで、今度はカリッサが優勝をさらう格好となり、借りを返す結果となりました。

優勝したカリッサのコメントは以下の通り。

今回の優勝に至るまでには様々な思いがあったからこそ、とてもハッピーな気持ちだわ。

ウイメンズにとって、パイプラインのようにクレイジーな波がブレイクするサーフスポットでコンテスト開催するのに、何年もの月日を費やしてきたことだし。

昨年のようなシーズン(レギュラーシーズンを1位で終えたのにワールドタイトルを逃したこと)を終えた後だから、なおさら今回の優勝で気分が晴れたわ。

アンディ・アイアンズを称えたイベントでの優勝って点もとてもスペシャル。

アンディは私にとってサーフヒーローの一人で、アンディと過ごさせてもらった時間には常に感謝の気持ちを抱いているし。

ヒート表

メンズ

クオーターファイナルからスタートしたメンズは、事実上のファイナルと目されたのがジャック・ロビンソンとジョンジョン・フローレンスのヒート4。

両者ともに難しいコンディションの中でも、しっかりとバレルを見つけてはメイクし接戦となることに。

結果的にバックアップスコアで劣ったジョンジョンが、ジャックに敗れることになりました。

セミファイナルに進むと波は悪化し、レオナルド・フィオラヴァンティとカイオ・イベリの対戦となったヒート1では、メンズラウンドであってもなかなかバレルメイクには至らず。

そのため、レオは早い段階でマニューバのみでのバックアップスコアを出した一方、カイオは最後までバレル狙いの姿勢を見せたもののセミファイナルで敗れました。

ちなみに、近年のパイプCTイベントにおいて、私の記憶に残っている限りワーストと呼ばれていたのはビード・ダービッジがパイプマスターになった2007年。

2007年はコンディションが悪すぎてパイプではなくオフザウォールで開催されたので、もはやパイプマスターズでも無かったほど波運に恵まれませんでした。

ヒート2は若手ながらパイプに強いジャック・ロビンソンとジョアン・チアンカと言う注目のヒート。

かなり厳しいコンディションではあるものの、波の見え方が異次元なのかジャックロボはしっかりとバレルをゲットしてスコアを重ね、順当にチャンビーニョを撃破。

この2人の対戦は、出来れば炸裂したパイプラインのコンディションで見たいですね。

ファイナルはレオとジャックの対戦となり、二人はグロム時代にはクイックシルバーのチームライダー同士なので、世代交代を感じさせられるメンツと言えます。

ちなみに、レオはCTイベントで初のファイナル進出。

メンズのファイナルまで進むと、すでにコンディションの悪化は酷くなっているので、パイプイベントながらビーチブレイクでたまにバレルありと言ったコンディション。

こうなってくるとジャッジ基準が難しくなり、パイプなので浅くてもバレル狙いが良いのか、マニューバ勝負に切り替えるのか難しいところ。

結果を見れば、ファイナルでのシングルハイエストスコアは、ジャックによる2ターンを入れたマニューバのみのライディングによる6.00ポイント。

レオのラストライドはバレルをメイクしたものの3ポイント台だったので、ジャックのライディングがジャッジ基準に対して的確だったのでしょう。

優勝したジャックのコメントは以下の通り。

パイプでの優勝はずっと夢見てきたことだし、アンディはサーフヒーローの一人だから光栄だよ。

シーズン初めはあらゆる感情が溢れているけど、実際にツアーに戻ってみるまではどんな感じなのか掴めないんだ。

僕自身の調子は良かったけど、パイプラインの獣のような波がどんな風に出迎えてくれるか知る由もないし。

本当にスペシャルなブレイクだし、ハワイでスタートを切れることにとても感謝してるし、これからの長い道のりを突き進むための準備が整ったよ。

昨シーズンの不調なスタートになったけど学びが多かったから、無駄なことは何もないね。

ヒート表

ハイライト動画

最新CTランキング

今シーズンのCTランキングは、2024年パリ五輪の出場権にかかわってくるので極めて重要。

そして以前にジョアン・デフェイの怪我に関する記事で触れた通り、ウイメンズのCTランクからオリンピックの出場枠は8名で、国別上限の2枠を考慮に入れると正規のCTサーファーからの選出は7名で1枠余ります。

なのですが、リプレイスメント出場のテレサ・ボンヴァロトを含めればちょうど8名になるので、正規CTサーファーではないテレサの扱いがどうなるのか気になるところです。

ウイメンズ

メンズ

まとめ

次なるCTイベント会場は、同じくハワイのオアフ島ノースショアに位置するサンセットビーチ。

ウェイティングピリオドは2023年2月12~23日の設定となります。

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公式サイト「Billabong Pro Pipeline

2023年ビラボンプロパイプの過去記事