ここ数年はタイトルコンテンダーとして活躍するトップCT(チャンピオンシップツアー)サーファーのフィリペ・トレド「Filipe Toledo」(25歳)。
数年前までは「小波最強サーファー」と皮肉の込められた呼び名を付けられていたこともあり、実際には本人もビッグバレルは得意ではないと認めています。
そんなフィリペにとって大きな意味合いのあるビッグバレルとなったCTイベントのヒートが2つあります。
今回の動画は、フィリペ・トレドが語る記憶に残るチョープーとパイプラインでの2ヒートを振り返るインタビュー映像をお届けします。
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エアリアルの得意なブラジリアンサーファーとして、若干17歳でワールドツアー入りを果たしたフィリペ。
もしもフィリペが欧米サーファーであったなら、エアリアルが得意というプラスの面をフィーチャーしたニックネームが付いたことでしょう。
でしたが、当時のサーフシーンにおいてブラジリアンサーファーは世界的に嫌われている傾向にありました。
理由としては、「パーティー好きでやかましい」やら「サーフエチケットを守らない(前乗りするなど)」といった感じです。
そのため、小波しかサーフできないといった嘲笑を込めたような感じで「小波最強サーファー」と呼ばれました。
さて、そんなフィリペにとって2大ヒートとなったのは、2015年のチョープーイベントと2018年のパイプマスターズ。
チョープーではラウンド5でイタロ・フェレイラと対戦し、何と一本も波に乗らずに敗退となりました。
CTイベントにおいてスコアレスでヒートを終えたサーファーは、過去の歴史においてもフィリペで2人目とのこと。
本当にセットが入らないといった状況であれば、対戦相手も乗らずにリスタートとなるので、リスタートにならなかったということは乗らなかった理由があるはず。
理由についてはサーフファンの間では「フィリペは(チョープーの波に)ビビッて乗らなかった」と言われていて、そんな汚名を着せられているのは嫌で、もっとビッグバレルでスキルアップしたいと語るフィリペ。
本当の理由については語らないものの、波に乗らなかったのはビビッてではなく、当時のヒートを海でチェックしていたコメンテーターのピーター・メルの意見を借りれば、プライオリティ争いなどでやる気を失ったように思えます。
2018年のパイプマスターズはラウンド3のヒートで、対戦相手はケリー・スレーター。
この時、タイトルレースを争っていたフィリペにとって、敗退すればタイトルレース脱落というシチュエーションで、残念ながら敗退することに。
敗退したものの、メイクすればパーフェクト10がスコアされただろうと思えたバックドアでのロングバレルは、ドギードアから抜けた瞬間にワイプアウトしたのですが、大いなる成長の証とも言える一本でした。
ちなみに、今回の動画プロジェクトはラストシーンではチョープーを訪れ、フィリペが10フィートスラブをメイクして成長を見せるという展開だったそうです。
ですが、タイトなスケジュールのフィリペが、10フィートのスウェルがヒットするチョープートリップを実現することができず、最終的にトリップはお流れになったとか。
自然相手のスポーツだけに、いかに素晴らしい脚本を書いても実行するのは一筋縄にはいかないことが分かるストーリーではないでしょうか。
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参照記事「Beach Grit」